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水素で600km走る大型トラック、トヨタと日野が共同開発へ:電気自動車
トヨタ自動車と日野自動車が、燃料電池大型トラックの実用化に向けた共同開発と走行実証に取り組むと発表。国内商用車全体のCO2排出量の約6割を占める大型トラックの環境性能向上により、温暖化対策につなげる方針だ。
トヨタ自動車(トヨタ)と日野自動車(日野)は2020年3月23日、燃料電池大型トラックの実用化に向けた共同開発と走行実証に取り組むと発表した。国内商用車全体のCO2排出量の約6割を占める大型トラックの環境性能向上により、温暖化対策につなげる方針だ。
商用車の電動化においては、高い環境性能に加え、事業用車両としての実用性も求められる。そのため、走行距離や積載物、稼働シーンなどに応じ、適材適所で最適なパワートレインを採用していくことが重要だという。特に幹線輸送に使われる大型トラックには、十分な航続距離と積載量、そして短時間での燃料供給が求められるため、エネルギー密度の高い水素を燃料に使う燃料電池車が有効とする。
開発する車両は、日野の大型トラック「日野プロフィア」をベースとする。シャシーは燃料電池車に最適なパッケージングを専用設計し、徹底した軽量化により十分な積載量の確保を目指す。パワートレインにはトヨタの市販燃料電池車「MIRAI」の次期モデル向けに新開発するFCスタックを2基搭載する計画だ。
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