太陽光関連企業の倒産が6年ぶり減少、累計では「FIT以降参入」の倒産が最多:太陽光
帝国データバンクが2019年度における太陽光関連業者の倒産動向の調査結果を発表。同年度の倒産件数は81件で、前年度から15.6%の減少となった。2014年度以来、5年連続で増加してきた太陽光関連業者の倒産は6年ぶりの減少となっている。
帝国データバンクは2020年4月7日、2019年度(2019年4月〜2020年3月)における太陽光関連業者の倒産動向の調査結果を発表した。それによると同年度の倒産件数は81件で、前年度の96件から15.6%の減少となった。2014年度以来、5年連続で増加してきた太陽光関連業者の倒産は6年ぶりの減少となっている。ただし、ただし、2019年度下半期は前期比25.0%増の45件と3半期ぶりに増加に転じており、動向には注意が必要としている。
2006年度以降の累計倒産件数483件のうち、倒産様態別では「破産」が454件と全体の94.0%、負債額は「5億円未満」が全体の85.1%を占めた。地域別では関東が177件で36.6%、中部が86件で17.8%、近畿が70件で14.5%と続いている。
業歴別では2012年にスタートした「再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)」導入以降に市場参入した「5〜10年未満」が135件で28.0%と最も多かった。
資本金別では「1000万〜5000万円未満」が230件・47.6%、次いで「100万〜1000万円未満」の194件・40.2%で合わせて全体の87.8%を占めた。従業員別では「10人未満」の334件・69.2%が最も多く、「10〜50人未満」の135件・28.0%と合わせて全体の97.2%に達した。
業種別細分類では「設備工事業」が117件・24.2%でトップに。倒産主因では「販売不振」が351件・72.7%で最も多かった。
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