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水力発電で国内初の民間資本活用のPFI事業、鳥取県で稼働を開始:自然エネルギー
中部電力が鳥取県営舂米(つくよね)水力発電所(鳥取県若桜町)の運営を開始。国内初となる、水力発電所におけるコンセッション方式を採用した民間資金を活用した社会資本整備(PFI)事業だ。
中部電力は2020年8月27日、同社が三峰川電力、チュウブ、美保テクノスと設立した特別目的会社「M&C鳥取水力発電株式会社」が鳥取県の保有する舂米水力発電所の運営を開始すると発表した。開始日は2020年9月1日。
舂米水力発電所は1960年12月に運転を開始した発電所で、鳥取県によって再整備が実施された。発電出力は7890kWである。M&C鳥取水力発電は、2020年7月に鳥取県と特定事業契約を締結した。
同社は舂米水力発電所以外にも小鹿第一水力発電所、小鹿第二水力発電所、日野川第一水力発電所の再整備を2021年度より開始し、再整備が完了した後に順次運営を開始する計画である。
鳥取県は2019年3月より、運転開始後50年以上が経過した県営4水力発電所の再整備および再整備後の発電所に運営権を設定して20年間運営を担う事業者を募集しており、上記4社がコンソーシアムを形成して応募。2020年3月に優先交渉権を得た。その後2020年5月にM&C鳥取水力発電が設立された。同発表によると、水力発電施設のコンセッション方式によるPFI事業としては国内初の事例になるという。
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