「仮想発電所」の構築を支援、PwCがVPP事業のコンサルサービスを開始:エネルギー管理
PwCコンサルティング合同会社は、バーチャルパワープラント(VPP)事業推進支援サービスの提供を開始したと発表した。新規事業コンセプトの立案、データアナリティクス、戦略的ビジネスモデル策定、サイバーセキュリティリスクへの対応など、戦略から実行までワンストップで支援する。
PwCコンサルティングは2020年10月27日、バーチャルパワープラント(VPP)事業推進支援サービスの提供を開始したと発表した。新規事業コンセプトの立案、データアナリティクス、戦略的ビジネスモデル策定、サイバーセキュリティリスクへの対応など、戦略から実行までワンストップで支援する。
国際的な脱炭素化の流れに加え、自然災害に伴う電力需給のひっ迫を受けて、電力需要家の施設内に太陽光発電や蓄電池などの分散型エネルギーリソース(DSR)が急速に普及している。一方、DSRは単独では十分な電力を供出できないことから、集約して1つの仮想的な電力供給システムを構築する、VPPに対するニーズが高まっている。
VPPは需要家に対して省エネ・省コスト・再生可能エネルギー利用の最大化し、送配電・小売・発電事業者に対して調整力の提供・インバランスや出力抑制の回避を実現するといった電力事業固有の課題解決にもつながるとして期待されている。
PwCコンサルティングは、欧米などのPwCグローバルネットワークの有識者や国内制度設計・市場対応の専門家とも連携し、事業化に向けた支援を提供する。特に、VPPに取り組む意義の明確化・解決すべき課題・社内の事業化に向けた支援、新規事業の立案、事業コンセプトモデルの開発・検証、データ分析、ビジネスモデルの具現化など、戦略から実行まで一貫して支援できる点が強みだという。
また、VPP環境においては、制御系、情報系、クラウド、インターネット、IoTデバイスなど、さまざまなバーチャル・フィジカル要素が相互に連携する。そのため、各環境や機能の関係性を整理し、個別最適ではなく各セキュリティ機能の全体最適を考慮する必要がある。同社はセキュリティリスクの可視化から設計、診断・テストまで幅広いセキュリティ支援を行い、サイバーレジリエンスを備えたVPP事業の構想・推進に貢献する。
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