蓄電池とAI制御システムをセット販売、太陽光の自家消費などを最適化:蓄電・発電機器
エナジーゲートウェイと荏原実業パワーが、新開発の「蓄電池AI最適制御システム」を搭載した家庭用蓄電システムを4月から販売すると発表。家庭内の電力使用状況を詳細に分析でき、その情報に基づいて最適な蓄電池の運用制御が行えるのが特徴だという。
エナジーゲートウェイと荏原実業パワーは2021年2月25日、新開発の「蓄電池AI最適制御システム」を搭載した家庭用蓄電システムを同年4月から販売すると発表した。エナジーゲートウェイが開発した同システムを、荏原実業パワーの家庭用蓄電池の新製品「EJ1-HB蓄電システム」に搭載するかたちで販売する。価格はオープン。
エナジーゲートウェイは東京電力グループのベンチャー企業。住宅内における電力使用状況などのデータ収集・分析・加工サービスの提供・開発などを手掛けている。特徴的なのが、「機器分離技術」と呼ぶ技術を活用した独自開発のセンサーを分電盤に取り付けることで、住宅全体の電力使用状況から、家電ごとの電力消費データを抽出できるというシステムを強みとしている。
今回、荏原実業パワーの蓄電池に搭載する「蓄電池AI最適制御システム」もこのセンサーを活用。センサーが測定した家庭内の家電ごとの電力消費状況や太陽光発電の発電量情報、蓄電池の残量などの情報を、荏原実業パワーが開発した通信ユニットを介して、エナジーゲートウェイのクラウドプラットフォームにアップロード。独自のAIアルゴリズムが分析を行い蓄電池の運用を制御することで、家庭で契約している売買電の料金に応じて太陽光発電などの自家消費を最大化しながら、電気料金の最適化を行うことができるという。独立電源としても、系統連系タイプとしても利用可能だ。
荏原実業パワーの「EJ1-HB蓄電システム」はリン酸鉄リチウムを利用した蓄電池で、5.8kWh、11.5kWh、17.3kWhの3つの容量モデルから選択でき、11.5kWhのモデルについては17.3kWhへの増設が可能なタイプも用意。それぞれについて、導入コストを抑えられる「LITEモデル」、遠隔制御などに対応する「HEMS」モデル、そしてエナジーゲートウェイのAIシステムを搭載した「AIモデル」の3つのグレードを展開する。なお、グレードは導入後の変更にも対応している。
システムの定格出力は5.8kWhモデルが3.0kW、11.5kWhモデルが3.0kWと5.9kWの2モデル、17.3kWhが5.9kW。蓄電ユニットの動作温度範囲はマイナス10℃〜55℃となっている。ハイブリッド型のためパワーコンディショナーが1台に集約されており、停電時にも太陽光発電の電力を蓄電池に充電することが可能。なお、通信ユニットは、Wi-Fi、LTE及び有線LANの通信に対応している。
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