太陽光の自家消費量を「ポイント化」、伊藤忠が新型蓄電池を発表:蓄電・発電機器
伊藤忠商事(以下、伊藤忠)がNFブロッサムテクノロジーズと共同開発した家庭用蓄電システム「Smart Star」シリーズの新製品、「Smart Star 3」を同年5月から販売すると発表した。
伊藤忠商事(以下、伊藤忠)は2021年3月3日、NFブロッサムテクノロジーズと共同開発した家庭用蓄電システム「Smart Star」シリーズの新製品、「Smart Star 3」を2同年同年から販売すると発表した。
新モデルの「Smart Star 3」では、従来の停電時機能とAIによる運転制御機能の標準搭載に加え、蓄電容量の大型化を図った。さらに、家庭用蓄電池では「世界初」(同社)という、環境価値をポイント化するプラットフォームを搭載したのが特徴だ。
蓄電容量は13.16kWhで、系統連系および自立運転出力は5.5kVA。外形寸法は118.2× 100.8cm×39.2cm、重量は265kgで、設置場所は屋外となっている。全負荷対応で、停電時には200V家電の利用も可能だ。さらに電気自動車(EV)への充電機能も搭載しており、計測機能を利用し、自宅の太陽光で発電した電力のみを充電に活用するといった運用も可能だという。
新製品では自宅の太陽光発電で発電した電力を自家消費した場合、その量に応じて「グリッドシェアポイント」を付与する機能を搭載。このポイントは伊藤忠のパートナー企業などが提供するサービスや商品と交換できるようにする計画だという。
Smart Starシリーズは2021年2月時点で累計4万台の販売実績がある家庭用蓄電池。ネットワークにつながったAI機能付き蓄電システムは3万台、容量ベースで約300MWhを超えるという。
こうした「蓄電池のプラットフォーム化」を生かし、伊藤忠では同社のプラットフォームに蓄積する蓄電システムのデータを活用した既存サービスのさらなる向上を目指すという。また、ネットワークにつながった蓄電システムを統合制御するバーチャルパワープラント事業、近い将来実現が期待される電力個人間取引(P2P)など、蓄電システムを活用した新たなサービスの提供も計画するとしている。
関連記事
- 大容量16.6kWhの家庭用蓄電池、ニチコンが最上位モデルを2021年春に販売へ
ニチコンが家庭用蓄電池の新製品2機種を発表。全負荷および200V対応かつ大容量が特徴のモデルで、太陽光発電の自家消費といったエネルギーの効率利用や、非常時を想定した住宅用電力のバックアップに最適だという。同年4月から販売を開始する。 - 容量154kWhの産業用蓄電池、ネクストエナジーが「従来比3〜5割安い価格」で
ネクストエナジー・アンド・リソースが、新たに産業向け蓄電システムを開発し、同年5月12日から販売を開始すると発表。工場や商業施設などにおける太陽光発電の自家消費に最適なモデルで、従来の蓄電池よりkWh当たり3〜5割程度価格を下げられるという。 - 蓄電池とAI制御システムをセット販売、太陽光の自家消費などを最適化
エナジーゲートウェイと荏原実業パワーが、新開発の「蓄電池AI最適制御システム」を搭載した家庭用蓄電システムを4月から販売すると発表。家庭内の電力使用状況を詳細に分析でき、その情報に基づいて最適な蓄電池の運用制御が行えるのが特徴だという。 - 出力600W超の太陽光パネル、中国トリナが2021年夏から受注開始へ
中国の大手パネルメーカーであるトリナ・ソーラーは、「PV EXPO 2021」(「スマートエネルギーWeek 2021」内、2021年3月3〜5日、東京ビッグサイト)に出展し、最大出力660Wの太陽光パネル新製品を披露した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.