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価格はリチウムイオン電池の10分の1、鉛再生電池の活用実証がスタート:蓄電・発電機器
エスアイエナジーとイグアスが、再生鉛蓄電池を活用した低コストな蓄エネソリューションの実証試験を開始。容量を回復させた使用済み鉛電池を、リチウムイオン電池の10分の1程度の価格で再エネ事業者に提供する計画だという。
出光興産の100%出資子会社であるエスアイエナジーは2021年4月20日、イグアスと提携し、再生鉛蓄電池を活用した低コストな蓄エネソリューションの実証試験を開始したと発表した。
この取り組みでは、電動フォークリフト用鉛蓄電池の容量回復サービスに実績を持つイグアスの技術を、使用済みの非常用電源用鉛蓄電池に転用。容量を回復させた同蓄電池を低価格で再生可能エネルギー発電事業者に提供することを目的としている。価格はリチウムイオン電池の約10分の1程度を目指すという。
実証では大手銀行で非常用電源として使われていた鉛蓄電池を再生し、そのライフサイクル(期待寿命)に関わるデータの収集、放電適正値の把握や、ユーザーの使用環境に合わせた最適な運用をシステム化するために必要な要件を検証する。
実証試験は2021年4月から開始し、同時に複数の潜在ユーザーの協力を得て、系統連系、太陽光発電連携などの実運用に近いかたちでの実証も行うという。
2022年からFIP制度が始まり、再エネ活用における蓄電池の需要は増加すると見られている。エスアイエナジーとイグアスではこうした需要を見据え、容量回復を行った低コストなバッテリーと同時に、バッテリーマネジメントサービスをパッケージ化したソリューションとして提供する方針だ。
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