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世界初の「全樹脂電池」の生産工場が福井県に、10月から量産開始へ:蓄電・発電機器
三洋化成工業のグループ会社であるAPBは2021年5月25日、同社が開発を手掛ける「全樹脂電池」の生産工場「APB福井センター武生工場」を開設した。低コストなどの強みを持つ全樹脂電池の量産を行う初の工場となる。
三洋化成工業グループ会社であるAPBは2021年5月25日、同社が開発を手掛ける「全樹脂電池」の生産工場「APB福井センター武生工場」を開設した。低コストや安全性の高さに強みを持つ全樹脂電池の量産を行う、初の工場となる。
APB は全樹脂電池の製造販売を手掛けるベンチャー企業で、2018年10月に設立。同社が開発を手掛ける全樹脂電池は、全樹脂電池はAPBと三洋化成工業が共同開発したバイポーラ積層型リチウムイオン電池で、集電体も含めた電池骨格を全て樹脂材料で構成しているのが特徴。活物質に樹脂を被覆させ、樹脂集電体に塗布をすることで電極を形成している。
こうした独自の製造プロセスにより、金属を使う従来のリチウムイオン電池に比べ低コストで製造できる他、高いエネルギー密度を持ちながらも発火の危険が少なく、形も加工しやすいという。また、電極の厚膜化が容易に行え、セルの大型化も可能であり、形状自由度が高い点も大きな強みで、APBでは定置用蓄電池やモビリティ用途での採用を見込んでいる。
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