家庭用蓄電池の販売トラブルが急増、国民生活センターが注意喚起:蓄電・発電機器
国民生活センターは2021年6月3日、家庭用蓄電池の訪問販売におけるトラブルが急増しているとして注意喚起を行った。家庭用蓄電池の購入に関する相談件数が増加しているという。
国民生活センターは2021年6月3日、家庭用蓄電池の訪問販売におけるトラブルが急増しているとして注意喚起を行った。家庭用蓄電池の購入に関する相談件数が増加しているという。
2009年11月にスタートした住宅用太陽光発電の「余剰電力買取制度」は、買取期間が10年と定められている。そのため2019年以降、買取期間が満了となるユーザーが登場しはじめた。満了後は「自由契約によって余剰電力を売電する」、あるいは「家庭用蓄電池などを導入して、太陽光で発電した電力を可能なかぎり自宅で使う(自家消費)」を選択するケースが多い。こうした背景から、家庭用蓄電池のニーズ拡大を見込み、ここ数年でメーカー各社から多くの新製品が発表されている。
一方、全国消費生活情報ネットワークシステム「PIO-NET」に寄せられた蓄電池の販売に関する相談件数は、2016年度325件、2017年度553件、2018年度926件、2019年度1302件、2020年度1314件と、ここ数年で数倍以上に増加している。
国民生活センターによると、実際に寄せられた相談事例をみると、事業者の突然の訪問等をきっかけに「この値段は今日限り」などと家庭用蓄電池の購入を急かされたり、長時間勧誘されて、冷静に十分な検討ができないままその場で契約しているケースが目立つという。
また、「自治体から委託を受けている」などと虚偽の説明を受けているケースや、契約後の設置工事や補助金の申請などをめぐってトラブルとなっているケースもあるとしている。
国民生活センターではこうした背景を受け消費者に対し
- 事業者の突然の訪問に対しては、事業者名や目的等をしっかり確認する
- 家庭用蓄電池導入のメリットだけではなく、それに伴うコストも十分考慮する
- 必ずしも余剰電力の売電より自家消費する方が経済的なメリットが大きいとは限らない
- その場で契約をせずに複数社から見積もりをとり比較検討する
- 契約するときは契約書の内容をしっかり確認する
- トラブルになったときには消費生活センター等に相談する
などの注意喚起を行っている。
なお、PIO-NETに寄せられた相談案件において、契約当事者の性別は、男性が約70%(3110件)、女性が約30%(1245件)。年代別にみると、30歳代以上において特定の年代に大きな偏りはなく、各年代から相談が寄せられている。
販売購入形態別にみると、訪問販売が83.1%(3456件)と最も多く、電話勧誘販売が12.1%(503件)、店舗購入が3.4%(142件)と続く。契約当事者の地域別にみると、東海(778件)が最も多く、次いで、南関東(715件)、九州北部(621件)、近畿(556件)となっている。
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