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水道施設が“再エネ電源”に、リコーらがマイクロ水力発電事業をスタート:自然エネルギー
合同産業とリコーが上水道施設を利用したマイクロ水力発電事業を開始。第一弾として山梨県大月市の上水道施設にシステムを導入し、発電を開始した。
合同産業とリコーは2021年6月28日、上水道施設を利用したマイクロ水力発電事業を開始すると発表した。第一弾として「東部地域広域水道企業団施設内小水力発電所」(山梨県大月市)を開設し、同月から発電を開始した。
今回、両社が設置したのは、上水道施設向け出力約20kWのマイクロ水力発電システム。上水道施設内の配管に取り付ける仕組みで、出力は19.8kW、有効落差55メートルを利用して、年間発電量9万7700kWhの発電量を見込んでいる。
一般に出力規模が小さいマイクロ水力発電は、費用対効果の面で課題があるとされていた。今回の事業ではリコーがこれまで研究開発を続けてきたシステムのノウハウや、ポンプ逆転水車方式を採用した渦巻ポンプを提供。これにより、低コスト・短納期でのシステム構築を可能にしたという。
発電した電力は、再生可能エネルギーの固定買取制度を利用して、東京電力パワーグリッドに20年間にわたって売電を行う
今回の導入を機に、合同産業とリコーは、地元企業と連携を強化し、全国の同様な現場にマイクロ水力発電を普及拡大させていくことを目指すとしている。
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