東京都が産業用燃料電池に最大3.3億円の補助金、再エネ水素設備も支援:蓄電・発電機器
東京都が産業用燃料電池や、再生可能エネルギー由来電力で水素を製造する設備の設置に対する補助事業を開始した。
東京都は2021年6月28日、業務・産業用燃料電池を設置する際に、その費用の一部を補助する、「水素を活用したスマートエネルギーエリア形成推進事業(業務・産業部門)」を開始すると発表した。
補助対象設備は、天然ガスから取り出した水素を用いる定置式燃料電池。発電した電力および発電に伴い発生した熱を供給するもののうち、定格発電出力が1台当たり1.5kWを超える設備が対象。民間事業者、都内の区市町村が業務・産業用燃料電池を都内の事業所等において新たに設置すること、水素エネルギーの普及啓発を実施することが条件だ。
補助率は対象経費の3分の2まで。ただし、出力が5kWを超える設備については上限が3億3300万円、1.5kWを超え5kW以下の設備については1300万円が上限となる。
募集期間は令和3年度(2021年度)から令和7年度まで。申請の受け付けは年度ごとに実施する。
再エネ水素製造設備の設置も補助
東京都では同時に再生可能エネルギー由来水素活用設備または純水素型燃料電池の設置を補助する「再エネ由来水素の本格活用を見据えた設備等導入促進事業」も開始した。対象設備は再生可能エネルギーで発電した電力で電気分解を行い水素を製造する設備と、純水素燃料電池の2種類。
補助率は再生可能エネルギー由来水素活用設備が対象経費の2分の1まで。ただし、水素製造能力が5Nm3/h超の設備は3億7000万円、5Nm3/h以下の場合は1億円が上限額となる。
純水素燃料電池については対象経費の3分の2までを補助する。ただし、定格発電出力が3.5kW超の設備については8700万円まで、3.5kW以下については1600万円が上限額となる。
募集期間は令和3年度(2021年度)から令和7年度まで。こちらも申請の受け付けは年度ごとに実施する。
なお、これらすべての申請は東京都環境公社が受付窓口となっている。
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