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三菱電機が英企業を買収、再エネ導入でニーズ高まる分散電源制御を強化:自然エネルギー
三菱電機が分散電源制御システムなどの開発を手掛ける英Smarter Grid Solutions(SGS)を買収すると発表。出力が変動する再生可能エネルギーの導入拡大により、国内外で高まる需給調整のニーズに向け、技術力の強化を図る狙いだ。
三菱電機は2021年8月10日、分散電源制御システムなどの開発を手掛ける英Smarter Grid Solutions(SGS)を買収すると発表した。出力が変動する再生可能エネルギーの導入拡大により、国内外で高まる需給調整のニーズに向け、技術力の強化を図る狙いだ。
SGSは2008年に創業。蓄電池やEVなどの点在する分散電源を統合制御し、電力系統の安定化を図る「Distributed Energy Resource Management System(DERSM)」の開発を手掛けている。特にリアルタイム制御技術に強みがあり、欧米を中心に多くの先進的な実証事業に取り組んでいるという。
三菱電機は8月6日に全株式を取得する契約を結んだ。買収については、米国子会社である三菱電機パワー・プロダクツ(MEPPI)と共同での出資となる。買収額は非公開。
三菱電機では今回の買収により、同社が国内市場で培ってきた技術とMEPPIの顧客基盤に、欧米で実績があるSGSのDERMS技術を融合し、再生可能エネルギーの導入が進み、分散電源制御の需要が加速する欧米でのDERMS事業を推進するとしている。また、今後は日本・アジアでの事業展開も検討し、デジタルエナジー事業の拡大を図る方針だ。
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