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ソーラーフロンティアが太陽電池生産から撤退、事業構造転換へ:太陽光
ソーラーフロンティアが太陽電池生産から徹底。宮崎県の国富工場で行っているCIS薄膜太陽電池の生産を、2022年6月末を目途に終了する。今後は発電所のEPC事業やO&M事業などを強化し、事業構造の転換を図るとしている。
出光興産は2021年10月12日、100%子会社であるソーラーフロンティアが太陽電池生産から徹底すると発表した。宮崎県の国富工場で行っているCIS薄膜太陽電池の生産を、2022年6月末を目途に終了する。今後は発電所の設計・調達・建設(EPC)事業、O&M(運用保守)事業などを強化し、事業構造の転換を図るとしている。
ソーラーフロンティアは、市場で主流のシリコン結晶太陽電池とは異なる、CIS薄膜太陽電池の製造販売を事業の中核としていた。CIS薄膜太陽電池は、発電層に銅(Cu)、インジウム(In)、セレン(Se)という3つの元素を主に用いる太陽電池で、シリコンと比較して光を吸収する能力が高いため、発電層の厚さを約100分の1程度にできる特徴がある。
しかし、中国企業などが安価な太陽電池で市場シェアを広げる中、経営状況が悪化。今回、国富工場における生産の撤退を決めた。CIS薄膜太陽電池の研究開発は、出光興産次世代技術研究所に集約する。その上で、CISの「高放射線耐性」という優位性を生かせる宇宙空間用途、、電動自動車や通信用ドローンといった移動体への搭載が期待されるタンデム型太陽電池への活用を模索するとしている。
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