太陽光で電力自給率70%超を実現、積水化学が新型蓄電池を搭載の新住宅:太陽光
積水化学工業がセキスイハイムブランドの誕生50周年記念商品として、太陽光発電や大容量蓄電池を備える住宅の新製品を発表。エネルギー自給率70%超を実現できるスマートハウスだという。
積水化学工業は2021年10月、セキスイハイムブランドの誕生50周年記念商品として、太陽光発電や大容量蓄電池を備える住宅の新製品「新スマートパワーステーション FR GREENMODEL」を販売すると発表した。同年10月23日から、北海道、沖縄、多雪地域および一部離島地域を除く全国で販売する。
新製品はのコンセプトは「できるだけ電気を買わない、先進の暮らし」。パッケージには、9.72kWの太陽光発電の他、容量12kWhの蓄電池、HEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)「スマートハイムナビ」、エコキュートなどがセットで含まれる。価格はこれらの設備費用込みで、3.3m2当たり税込み95万円台から。
搭載する蓄電池「e-PocketGREEN」は、ニチコンと共同開発した新製品。積水化学工業のフィルム型蓄電池セルを採用している。停電時に家中の電源コンセントに電力供給できる「家まるごと仕様」が標準となっており、停電時の同時使用可能量を従来の2500Wから3500W、太陽光発電の発電時は最大5500Wに強化している。
併設するパワコンは、接続可能な太陽光発電の容量を、従来の約1.4倍(1台あたり最大10.08kW)に拡大しており、電力変換ロスやパワコン設置台数を削減できるという。さらに、電気自動車(EV)の普及を見据え、1台のパワコンで太陽光発電、家庭用蓄電池、EVの3電池と接続可能なトライブリッド仕様とし、拡張しやすくした。
エコキュートは深夜電力ではなく太陽光発電システムの余剰電力を積極的に湯沸かしに活用する。「スマートハイムナビ」が気象予報から翌日の太陽光の発電量を予測し、利用できると判断した場合、昼間に太陽光発電の余剰電力で湯沸かしを行う。1日の湯沸かしに使用する電力の最大80%を余剰電力で賄うことが可能だという。従来は50%までだった。
今回の新製品では、エネルギーマネジメントにおいて、太陽光発電システムの余剰電力を蓄電池に充電し自宅で使う「グリーンモード」に特化。太陽光発電によるエネルギー自給自足率が、従来モデルの約66%から約73%に向上したという。積水化学工業では年間1600棟の販売を目指す方針だ。
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