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球状の太陽電池で実現、太陽光で発電する「ニット」を新開発太陽光

福井県工業技術センターが、繊維技術を活用した「太陽光発電経編(たてあみ)ニット基布」を開発。やわらかく、光にかざすと透ける、太陽光発電が可能なインテリア部材としての利用を目指すという。

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 福井県工業技術センターは2021年10月19日、繊維技術を活用した「太陽光発電経編(たてあみ)ニット基布」を開発したと発表した。やわらかく光にかざすと透ける、太陽光発電が可能なインテリア部材としての利用を目指すという。

 開発したニットは、太陽光で発電する糸をレースカーテンの製造などに用いられる経編技術で編み上げている。この発電する糸は、スフェラーパワー(北海道恵庭市)が独自開発の球状太陽電池を利用したもの。


太陽光発電経編(たてあみ)ニット基布の構造。球状の太陽電池を織り込んだ特殊な糸を編み上げている 出典:福井県工業技術センター

 この球状太陽電池は、球状にしたシリコン粒の表面にpnジャンクションを形成し、上下に対向するかたちで電極をつけた球状の太陽電池セル。受光面を球状となっていることで、一般的な平板型の太陽電池と比較して、約3倍の光を採り込めるため、発電効率を高めやすい。1つ1つの発電量は小さいが、多くのスフェラーを細い糸状の導電素材でつなぐことで、窓などに設置できるシースルータイプの太陽電池や、柔軟性のあるテキスタイル型の太陽電池など、さまざまな用途に適用できるという。

 この球状太陽電池を利用した糸を使い、経編技術で編み上げたニットは、光にかざすと透け、柔らかく折り曲げることも可能。1m以上の長尺の太陽光発電布を作るこも可能で、これをつなげて面積を広げていくことで、発電量を増やすことができるという。

 福井県工業技術センターではこのニットを、空調ファンなどと連動するサンシェードや、夜間の照明や防犯・見守り機能用の独立電源としてなど、自己発電・自己消費型のインテリア部材・機器向に展開を目指すとしている。


太陽光発電経編(たてあみ)ニット基布の活用イメージ 出典:福井県工業技術センター

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