太陽光のFIT入札は最低価格が8円台に、加重平均でも9円台に到達:太陽光
低炭素促進機構は2022年3月4日、再生可能エネルギーの固定買取価格制度(FIT)にもとづく太陽光発電の第11回入札の結果を公表。最低落札価格は8.99円/kWhで初の8円台を記録した。
低炭素促進機構は2022年3月4日、再生可能エネルギーの固定買取価格制度(FIT)にもとづく太陽光発電の第11回入札の結果を公表した。
今回の入札は、出力250kW 以上の太陽光発電事業を対象とし、入札量(募集容量)は278.5946MW、供給価格上限額は10.25円/kWhの条件で実施。上限額は事前に公表する形式で実施している。
結果は落札件数の合計が273件、落札された出力の合計268.7MW、最低落札価格は8.99円/kWh、加重平均落札価格は9.99円/kWhだった。最高落札価格は上限価格と同じ10.25円/kWhだった。
前回の入札と比較して、入札参加資格の審査のために提出された案件数は前回より127件多い345件、入札に参加できることを通知した案件数は114件多い327件だった。実際に入札が行われた件数も85件多い273件で、入札件数が急増する結果となった。これは、2022年度からスタートするFIP制度を前に、駆け込みの入札が増えたためとみられる。
一方、容量ベースで見ると、実際に入札に参加した件数の合計容量は約268.7MWで、募集容量を下回る結果となり、前回入札と比較して60MW以上の減少となった。入札参加資格の審査のために提出された事業計画の合計出力も約377.5MWから約343.3MWに、入札に参加できることを通知した合計出力は前回の約374.0MWから約316.0MWに減少している。
落札価格の加重平均9.99円/kWhは前回より0.32円低い価格で、9円台を記録するのは今回が初。さらに最低落札価格8.99円/kWhも初めての8円台となる。2022年度の入札においては、この水準を意識した事業計画が求められそうだ。
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