家庭の防災対策、8割が「長期・大規模停電」を想定せず 「電力依存度」は4割が自覚:蓄電・発電機器
伊藤忠商事は2022年3月7日、「在宅避難と停電」をテーマとした防災対策に関する実態調査の結果を発表した。約8割の回答者が何かしらの防災対策をしているものの、自然災害時および長期・大規模停電時の行動シミュレーションについては、「今までしたことがない」が全体の約65%を占めたという。
伊藤忠商事は2022年3月7日、「在宅避難と停電」をテーマとした防災対策に関する実態調査の結果を発表した。約8割の回答者が何かしらの防災対策をしているものの、自然災害時および長期・大規模停電時の行動シミュレーションについては、「今までしたことがない」が全体の約65%を占めたという。
この調査ではまず2万人を対象とした事前調査で、災害時における避難所の利用にかんするヒヤリングを実施。その結果、74.4%が「避難所へ行くのに躊躇する」と回答したという。その理由としては「プライバシーや衛生面」「高齢者、幼児、ペットとの同居」が理由に挙がった。
次に、「躊躇する」とした回答者のうち1000人を対象に、住宅の防災対策に関する意識調査を行った。防災対策の実施状況を聞いた項目では、全体の77.9%が何かしらの対策を講じているという結果となった。そのトップは「食料、水、日用品など消耗品の準備」(55.5%)で、次に「カセットコロン、ポータブル電源、非常用トイレなどライフライン停止用品の準備」(36.2%)、「防災セットの購入、準備」(34.2%)と続いた。なお、「防災対策は全くしていない」という回答は22.1%だった。
自然災害時と長期・大規模停電時の行動シミュレーションの実施状況を聞く項目では、「今までしたことがない」という回答が全体の約65%に上った。また、半数以上が「防災対策は長期・大規模停電(最低2日間)を想定していない」と回答している。
住宅で利用するエネルギーのうち、電力への依存度に関する意識を聞いた項目では、100%と回答した人は38.3%と約4割を占めた。1日の起きている時間(活動時間)の8割以上で電気を使用している人は全体の64.2%となっている。
長期・大規模停電時に使いたい設備や家電機器などを聞いた項目では、「トイレ」「スマホ/携帯の充電」「エアコン」「冷凍冷蔵庫」が上位となった。一方、こうした設備の機能を全て使うための備えについては、「全く足りない」が53.7%、「少し足りない」が27.4%を占めた。停電時への備えが足りていない理由については、「具体的な対策が分からない」「具体的に長期・大規模停電をイメージ出来ない」という回答が1位と2位になっている。
また、戸建住宅丸ごと一軒分の電力をカバーできる家庭用蓄電池を「検討したい」という回答は37.2%となった。「検討してみたいが住まいの環境により難しい」の15.8%と合わせると半数を超えた。
関連記事
- 電力と水を自給自足、インフラに依存しない「完全オフグリッド生活」を実証へ
LIFULL(ライフル)とU3イノベーションズは2022年3月1日、電力や水道などの既存インフラに依存しない、完全オフグリッドの住環境の実現に向けた生活実証を開始したと発表した。 - “太陽光発電だけの生活”は可能か、実証実験がスタート
外部からの電力やガスの供給を遮断し、再生可能エネルギーによる自家発電のみの生活が継続可能かを検証する実証実験がスタートする。ミサワホームグループと京セラが2015年10月から奈良県で行うもので、モデル住宅に太陽光発電と蓄電システムを設置して実際に生活をしてもらい、そのデータを分析する。 - 新開発の12.8kWhの蓄電池と太陽光をセット販売、ハンファと住友電工が協業
ハンファQセルズジャパン(東京都港区)と住友電気工業(大阪市中央区)は2022年3月1日、太陽電池モジュールとハイブリッド蓄電システムを一体化した、住宅向けの太陽光発電の自家消費システムを開発すると発表した。販売は2022年4月1日を予定している。 - 初期費用0円の家庭用蓄電池サービス、伊藤忠が全国で販売をスタート
伊藤忠商事が家庭用蓄電池を初期費用0円かつ月々定額で利用できる新サービス「Beeフラット」の提供を開始。同社が出資する新会社のIBeeT(アイビート)と登録販売店を通じ、全国で販売を展開する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.