自家消費に向く軽量太陽光パネル、2.6mの積雪と風速46m/sに耐える高耐荷重版も登場:太陽光
ネクストエナジー・アンド・リソース(長野県駒ヶ根市)は、2022年3月8日、高効率単結晶太陽電池モジュール「NER120M375L-MC」「NER120M375C-MC」の軽量版および高耐荷重版にあたる新製品「NER120M375D-MCL」と「NER120M375D-MCH」の販売を開始した。
ネクストエナジー・アンド・リソース(長野県駒ヶ根市)は、2022年3月8日、高効率単結晶太陽電池モジュール「NER120M375L-MC」「NER120M375C-MC」の軽量版および高耐荷重版にあたる新製品「NER120M375D-MCL」と「NER120M375D-MCH」の販売を開始した。
昨今、太陽光発電の自家消費市場が拡大傾向にある。しかし、建物の耐荷重が小さい、多雪や台風が多いといった地域環境の特性から、従来の太陽電池モジュールでは設置ができないエリアも存在しているという。
今回発表した2製品はこうしたニーズに対応するためのも。軽量版の「NER120M375D-MCL」は、従来の出力375Wのモデルと比較して、出力とモジュール変換効率(20.5%)を維持したまま、重量は15.1kgと約25%軽量化した。平米荷重は8.3kgで、一般的に10kg/m2程度といわれる折版屋根の余力荷重をクリア。従来品では設置ができないとあきらめていた建物へも設置が可能であり、軽量化により設置作業の負担も軽減できるとしている。
なお、セルサイズはW1038×H1755×D30mm、セル枚数は120枚、機械的耐荷重は最大積雪荷重3600Pa(表面/風圧荷重含む)、最大風圧荷重は2400Pa(裏面)、公称最大出力動作電流(Imp)は10.95A、公称最大出力動作電圧(Vmp)は34.28V、公称短絡電流(Isc)11.46A、公称開放電圧(Voc)は41.50Vとなっている。
もう1つの高耐荷重版モデルである「NER120M375D-MCH」は、積雪耐荷重8000Pa/風圧耐荷重4000Paに高めた。こちらも出力は375W、変換効率は20.5%で従来製品と同様の品質を維持している。
フレームを改良しガラス厚を変更しないことで、平米重量21.1kgと従来製品と同程度の重さで施工性にも優れるという。通常モデルでは、雪や風の圧力によるモジュールの変形や破損などが生じる危険性が高い場所にも設置可能で、最大積雪量2.6m、最大風速46m/s、設置高さ30mにまで対応可能としている。
セルサイズはW1038×H1755×D35mm、最大出力動作電流や公称出力動作電圧などのスペックは、軽量版と同じ仕様となっている。
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