リコーが3Dプリンタ製の小水力発電システム、オーダーメイドも可能なレンタル事業を開始:自然エネルギー
リコーが少ない水量でも発電可能な「ピコ水力発電システム」のレンタルサービス「LIFE PARTS(ライフパーツ)」を開始すると発表。3Dプリンタで製造した独自形状のプロペラを利用したシステムで、工場排水や地域の用水路などにおける再生可能エネルギーの活用促進を支援するという。
リコーは2022年3月10日、少ない水量でも発電可能な「ピコ水力発電システム」のレンタルサービス「LIFE PARTS(ライフパーツ)」を開始すると発表した。3Dプリンタで製造した独自形状のプロペラを利用したシステムで、工場排水や地域の用水路などにおける再生可能エネルギーの活用促進を支援するという。
このサービスでは、設置する場所や目的に応じたオーダーメイドのピコ水力発電システムを提供する。落差が少なく、小さい水流しか得られない場所でも設置・発電でき、発電した電力はセンサーなどIoT機器の駆動や、照明などに活用できるという。
3Dプリンタで製造する独自開発のプロペラは、水流による抵抗を減少させる「ウィングレット構造」をを持つ特徴的な螺旋羽根となっている。効率的に発電することに加え、落ち葉詰まりなどをセンサーで検知して送信するため、メンテナンスの頻度や手間も軽減できるという。
実際にリコー沼津事業所の工場排水を用いた実証実験では、9カ月間にわたり、用水路への落下防止を想定した電灯の点灯や、防犯カメラの電源としての活用できることを確認したという。また、発電した電力をバッテリーに充電し、防災用の電源や携帯電話の充電などに利用することも検討している。
また、京都里山SDGsラボ「ことす」との連携イベントでは、近隣の農業用水路で発電した電力を地域住民とのふれあいいイベントに活用するなど、中山間地域の水力発電の普及に取り組んでいるという。
リコーでは今後、地方自治体や教育機関向けに、再生プラスチックを用いたピコ水力発電機づくりのワークショップを開催するサービスも開始する。これはワークショップの参加者が持参した使用済みのプラスチックを利用して、3Dプリンターでピコ水力発電装置を作成するというもの。ワークショップを通じて再生可能エネルギーや、ピコ水力発電システムの活用方法に対する理解を深めてもらう狙いだ。
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