「太陽光で発電する道路×蓄電池」の独立電源システム、東亜道路工業が販売へ:太陽光
東亜道路工業とコラス・ジャパンは、路面に直接設置できる太陽光発電システムと蓄電池を組み合わせた「ワットウェイ・パック」を2022年6月から販売する。
東亜道路工業および仏Colas社の日本法人であるコラス・ジャパンは、太陽光発電舗装設備「ワットウェイ・システム」の第1弾として、路面に直接設置できる太陽光発電システム「ワットウェイ・パック」を2022年6月から日本国内で販売する。
Colas社が開発した太陽光発電舗装設備「ワットウェイ」は、同社とフランスの国立太陽エネルギー技術研究所(CEA-INES)が共同開発したシステム。路面式の太陽光パネルであり、パネルの外形寸法は1257×690mm、厚さ6mm、質量5.5kg、最大出力は125Wとなっている。発電パネルの表面にはすべり止めが施されており、車道と歩道の両方に利用できる。フランス国内では、大型車による実証実験で耐久性が確認されているという。
ワットウェイは特殊な接着剤でアスファルト舗装路面に直接設置する。路面に直接貼り付けるため、台風などの強風でも飛散するリスクが低く、自然災害に強いのも特徴だという。
今回販売するワットウェイ・パックは、ワットウェイで発電した電力を蓄電し、照明施設、監視カメラ、電動自転車の充電、Wi-Fiなどの独立電源として利用できるようにシステム化したもの。被災時などで孤立した場合の非常用電源としても利用可能だ。設置面積の目安は3〜18m2程度、最大出力は375W〜2250W、蓄電池容量は1〜10kWh程度を設定する。
東亜道路工業では現在、日本においてもワットウェイの耐久性や安全性に関する検証が進めている。同社のアスファルト混合物製造工場では大型車の走行に対する耐久性を検証しており、今後厳しい気象条件が想定される日本向けにさらなる複数の実証実験を進める方針。その上で耐久性や安全性などの改良を進め、駐車場通路や車道への適用を目指すとしている。
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