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ペロブスカイト太陽電池を世界初導入、JR西日本が「うめきた」新駅に:太陽光
JR西日本が2025年の開業を目指す「うめきた(大阪)地下駅」に、積水化学工業がフィルム型ペロブスカイト太陽電池を設置する。一般共用施設への設置計画としては世界初の事例になるという。
積水化学工業は2022年8月、西日本旅客鉄道(以下、JR西日本)が開業を目指す「うめきた(大阪)地下駅」にフィルム型ペロブスカイト太陽電池を提供・設置すると発表した。JR西日本によると、一般共用施設への設置計画としては世界初の事例になるという。
フィルム型ペロブスカイト太陽電池は、ペロブスカイトと呼ばれる結晶構造を用いた次世代太陽電池。軽量かつ柔軟という特徴を持ち、ビルの壁面や耐荷重の小さい屋根、あるいは車体などの曲面といった、さまざまな場所に設置できる。また、塗布などによる連続生産が可能であること、レアメタルを必要としないなどのメリットがあり、次世代の太陽電池として今後の普及が期待されている。
積水化学工業ではこのフィルム型ペロブスカイト太陽電池について、独自技術によって、30cm幅のロール・ツー・ロール製造プロセスを構築し、屋外耐久性10年相当を確認したという。現在、変換効率15.0%の太陽電池の製造に成功しており、今後、実用化に向けて1m幅の製造プロセスの確立、耐久性や効率のさらなる向上を目指している。
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