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今後の省エネ政策はどう在るべきか――国内外の省エネの現状と対策法制度・規制(4/4 ページ)

脱炭素政策だけでなく、経済政策やエネルギーセキュリティ確保の観点からもその重要性が増している「省エネ」。2022年11月上旬に開催された「省エネルギー小委員会」第37回会合では、日本の今後の省エネ政策の在り方や方向性が議論された。

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企業の省エネ情報を公開

 近年、ESG(環境・社会・ガバナンス)投資の拡大に伴い、企業のサステナビリティ情報の開示に対する要請も高まりつつあり、企業のエネルギー消費量やその内訳は、環境分野の定量情報の一つとして例示されている。

 省エネ法では従来から、各社の省エネの状況を4段階で評価する「SABCクラス分け評価制度」を実施してきた。この制度の中で、Sクラス事業者の名称や、業種別集計データが公表されているが、個社のデータは公開されていない。


図8.事業者クラス分け評価制度(SABC評価) 出所:省エネルギー小委員会

 なお温対法(地球温暖化対策の推進に関する法律)に基づく「算定・報告・公表制度」においては、2021年の法改正により、事業所ごとのGHG排出量情報について開示請求の手続なしで公表される仕組みが導入されている。

 このため、今後は省エネ法定期報告書においても、公開に同意した事業者に限り、一定の情報を経済産業省ホームページ等で公開する案が示されている。

公開予定の情報は以下のような内容である。


図9.省エネ法定期報告書からの任意公開情報案 出所:省エネルギー小委員会

 現在もすでに、先進的な事業者は自社のエネルギーデータ(第三者検証済み)を自主的に公開していることから、任意公開そのものが新しい取り組みとは言えないが、情報のワンストップサービス化・一覧化は、各方面のステークホルダーにとって有益と考えられる。

 GX実行会議においても省エネは、産業競争力強化の重要な一施策として位置付けられている。

 省エネ法は日本の優れた仕組みであることから、諸外国政府や企業に対しても、同様の取り組みや情報の公開を働きかけ、世界的なスタンダードとすることが期待される。その際には、DX要素の強化や、新たな脱炭素燃料の取り扱いルール等の構築を先導することが求められる。

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