2023年度に始まる「長期脱炭素電源オークション」、初回募集は400万kWに:エネルギー管理(1/4 ページ)
脱炭素電源への新規投資の促進を目的に2023年度から始まる「長期脱炭素電源オークション」。その内容を検討する作業部会で、初回の募集容量や具体的な入札に関するルールの詳細が明らかになった。
近年、既存電源の廃止や新規投資の停滞による供給力低下を一因として、電力需給逼迫や卸市場価格の高騰が発生している。
このため資源エネルギー庁の「制度検討作業部会」では、脱炭素電源への新規投資を促進するため、「長期脱炭素電源オークション」の2023年度開始を目指して、制度詳細を検討している。なお本制度は、容量市場の特別オークションという位置づけである
長期脱炭素電源オークションの募集容量
供給力確保と同時に、2050年カーボンニュートラル実現に向けては、脱炭素電源の新設・リプレースと並び、既設化石火力の脱炭素化に向けた改修も必要とされる。
電源建設には一定のリードタイムが必要であるため、2050年までに脱炭素電源としての稼働を期待する場合、その投資判断に残された期間は実質的に20年程度となる。
既存の約1.2億kWの化石火力電源の全てを、直線的に脱炭素電源に置き換えていくと仮定するならば、年平均で600万kW程度の脱炭素電源の導入が必要となる。
しかしながら、今後の技術開発により次第に脱炭素電源のコスト低減が進むことへの期待や、オークションでの価格競争を促す観点から、本制度措置の初期段階においては、その募集量を「スモールスタート」として開始する方針が示されていた。
これを踏まえ、2023年度の初回オークションにおける脱炭素電源の募集量は、「400万kW(応札容量ベース)」とされた。ただしこの内訳としては、電源種別により一定の上限枠が設けられている。
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