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今後の太陽光・風力の出力制御はどの程度か? 長期見通しと低減策の試算結果:エネルギー管理(3/5 ページ)
再生可能エネルギーの大量投入に伴い、近年多くのエリアで実施されるケースが増えている「出力制御」。発電事業の運営にとって非常に重要な出力制御の今後の見通しが公開された。
火力の出力抑制(ステップ5)
再エネの出力制御をなるべく回避するための措置として、優先給電ルールに基づき、まずは火力電源の出力を抑制する。
ただし火力発電(電源I・II)は、需要変動や再エネの出力変動を調整するため、安定供給に必要となる調整力の確保を前提とした最低限必要な出力までの抑制、または停止とする。
- ピーク時供給予備力8%を確保
- 安定供給に必要な調整力として、下げ代・上げ代ともに需要の2%に相当するLFC容量を確保
- LNGのボイルオフガスなど、最低消費制約を考慮
また火力発電(電源III)は、設備の保全維持の問題が生じない出力まで抑制する。
揚水発電・蓄電池の活用(ステップ5)
再エネ(特に昼間の太陽光)の出力制御をなるべく回避するための措置として、優先給電ルールに基づき、昼間の揚水動力(ポンプアップ)として揚水式水力を最大限運転する。
ただし、揚水式水力での調整にはkWとkWhの制約がある。よって、再エネ電源の出力が下げ代を超過する場合、
- 超過分出力を揚水運転の出力で調整可能か(kWの制約)
- 出力面では調整可能な場合でも、その発電量を受け入れる貯水池に余裕があるか(kWhの制約)
の2つを考慮し、出力制御見通しを算定する。
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