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水素100%で稼働する家庭用給湯器、リンナイと岩谷が商品化に向け実証:蓄電・発電機器
リンナイと岩谷産業が水素100%で稼働する家庭用給湯器の実証実験に着手。商品化に向け、実生活に近い環境下で実証を行う。
リンナイと岩谷産業は2023年4月、北九州水素タウンにて国内初となる水素100%で燃焼する給湯器の実証実験に着手すると発表した。水素のパイプライン供給を受ける水素集合住宅に水素燃焼給湯器を新たに設置し、実使用環境下での評価を行う。
実証で導入する水素燃焼給湯器は、100%水素を燃料として利用が可能。従来の給湯器の仕様をベースとしつつ、低出力まで安全・安定的な燃焼が可能で、給湯器として任意の水量、湯温への変更にも即座に対応できるという。
これまで課題とされていた爆発の危険性や、燃焼の不安定さなどの課題をクリアしており、今後オーストラリアでも実証実験を行う計画だという。
実証を行うのは、北九州市東田地区にある実証エリア「北九州水素タウン」。このなかにある水素集合住宅に水素燃焼給湯器を設置し、パイプラインで水素を供給・運用。水素燃焼給湯器のお湯は、台所と洗面台での給湯やお風呂のシャワーなど、実生活のなかで利用し、実使用環境下での給湯器の性能評価や長期運転による信頼性評価を行う。
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