ニュース
燃料の脱炭素化で期待される「合成メタン」、CO2排出に関する制度設計が急務に:法制度・規制(4/4 ページ)
都市ガスの脱炭素化手法の一つとして今後の利活用が期待されている「合成メタン」。一方、合成メタンによるCO2削減効果の定量化手法や、その取り扱いに関する制度は整備されておらず、その確立が急務となっている。
合成メタンの輸入における税制等の措置要望
日本ガス協会は、安価な合成メタンの普及促進を図る観点等から、合成メタンに係る関税の無税、石油石炭税の免税措置を要望している。また、2028年度に導入が予定されている「化石燃料賦課金」についても、適用除外措置を要望している。
なお、GX-ETS(GXリーグ排出量取引制度)では、SHK制度に基づき算定した排出量が用いられるため、SHK制度において合成メタンのCO2排出量がどのように算定されるかが一層重要となる。
合成メタンに関する今後の事業スケジュール
大阪ガス等の事業者は、2030年合成メタン1%導入に向けた具体化を検討中であり、早ければ今年度中にFEED(基本設計)の意思決定を予定していることを公表している。
事業の投資意思決定には、投資予見性の確保が必要であるため、国は速やかに「企業活動レベル」及び「国レベル」におけるCO2排出の取扱いを明確化するなど、事業環境の整備が急がれる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
海外の「水素戦略」の最新動向、投資規模やスピード感の違いが明らかに
政府が改定を検討している「水素基本戦略」。その内容を討議する「水素・燃料電池戦略協議会」において、諸外国の水素政策と民間投資の動向が報告され、その規模やスピード感の違いが明らかとなった。
都市ガスの脱炭素化に役立つ「バイオガス・バイオメタン」、国内外の普及動向
都市ガスのカーボンニュートラルの実現策として期待されている「バイオガス・バイオメタン」。現在の日本国内における利用状況と関連制度の、そして海外での利活用の状況についてまとめた。
都市ガスの脱炭素化へ新制度、合成メタン用の「クリーンガス証書」を創出へ
都市ガス領域の脱炭素化に向けて、いわゆる「メタネーション」とよばれる合成メタンの活用が模索されている。合成メタンの流通おいては、環境価値の帰属・移転の問題があるが、その解決策として「クリーンガス証書」の創設が検討されている。
