日本のEV充電インフラの現状と課題は? 政府は新たな整備指針を策定へ:電気自動車(2/5 ページ)
今後日本でもさらなる普及が期待されているEV.一方、その普及に欠かせないのが充電インフラだ。政府は新たな検討会を設置し、今後の国内におけるEV向け充電インフラ整備の指針となる、新たなロードマップの策定を開始した。
道の駅・高速道路における充電器の設置状況
全国1,194の「道の駅」のうち、約7割の駅に充電器が設置されており、一定程度は整備が進んでいる。しかしながら、それらの充電器の多くは2012年度補正予算の補助金で設置されたものであり、設備の老朽化が進んでいる。また、当時設置された充電器は出力が低いものが多い。
高速道路のSA・PAには、現在546口の急速充電器が設置されているが、この半数近くは50kW未満である。現在、一部のSA・PAでは「充電待ち」が課題となっており、この解消のため、充電器の複数口化、高出力化が進められている。充電器の平均稼働率が概ね20%を超えると「充電待ち」が発生してくると言われている。
高出力な急速充電器は、充電時間は短いものの、電気料金の基本料金分などの維持費用が掛かるため、稼働率の確保が必要とされるが、高速道路では稼働率が10%未満の充電器が大半を占めている。
また「充電待ち」の解消策として、一旦高速道路を降りて、高速道路外の急速充電器を利用できる制度を、2024年度以降、順次導入予定としている。
充電設備の利便性には、バリアフリーであることも重要である。国土交通省と経済産業省が、全国の道の駅、SA・PAに設置されている充電設備について、バリアフリー対応に関する調査を実施したところ、車椅子利用者が操作困難となる可能性がある充電設備の基数が68%に上ることなどが明らかとなった。
一般的に、充電器は8年程度で設備の更新投資が行われるため、今回課題が確認された充電器については、更新投資に合わせて、充電器のハードだけではなく、駐車スペースなど機器周辺のバリアフリー対応を図る予定としている。
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