使用済みEV用電池で蓄電システムを構築、関電と東芝が実証へ:電気自動車
関西電力と東芝が使用済みのEV用電池を利用した蓄電システムの実証を発表。リユース蓄電池を活用したシステムの利活用に関する各種サービスを検証し、2024年度中の提供を目指すとしている。
関西電力と東芝エネルギーシステムズ(東芝ESS)は2023年8月18日、使用済みのEV用電池を利用した蓄電池システムを構築し、冬頃から実証を開始すると発表した。リユース蓄電池を活用したシステムの利活用に関する各種サービスを検証し、2024年度中の提供を目指すとしている。
この実証では関西電力尼崎実験センター(兵庫県尼崎市)に、容量200kWhの使用済みEV用電池を利用したシステムを構築。アセットマネジメントなどのサービスの事業性評価の他、さまざまな充放電パターンにおける経済性評価を実施する。
関西電力株式会社は各種サービスのビジネスモデル検討および事業性・経済性評価を行い、東芝ESSは同社の劣化診断技術を用いた電池の分析・評価を実施する。
なお、両社と関電L&Aは、EVの充電データや走行データを活用したEV電池劣化診断の実証も開始し、実証モニターとして参加する企業・団体の募集も開始した。
こちらの実証では参加企業・団体が運用するEVについて、関電L&Aが電池の劣化診断のためのデータ取得や車両点検を行い、東芝ESSが電池の劣化診断技術を用いてEV用電池の状態評価や寿命予測を行う。関西電力は、参加企業・団体に対して、電池の残容量、健全性およびEVの効率的な利用方法に関するレポートを無償で提供するとしている。
3社は本実証で得られる成果を踏まえ、寿命予測によるEVの車両更新にかかる投資の最適化に向けたアセットマネジメントサービスや、テレマティクス技術とエネルギーマネジメントの知見を活用したEV電池の長寿命化に寄与するコンサルティングサービスの創出を目指すという。今後、2024年度中のサービス展開を目指す方針だ。
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