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液化空気エネルギー貯蔵システムを容量市場に活用、工営エナジーが2027年度に:蓄電・発電機器
工営エナジーと住友重機械工業が、液化空気エネルギー貯蔵システムの商用実証プラントを電源とする容量市場アグリゲーター契約を締結した。
ID&Eホールディングスは2023年10月16日、グループ会社である工営エナジーと住友重機械工業が、液化空気エネルギー貯蔵(Liquid Air Energy Storage、LAES)システムの商用実証プラントを電源とする容量市場アグリゲーター契約を締結したと発表した。2027年度容量市場オークション応札に活用する計画だ。
住友重機械工業が建設を予定している液化空気エネルギー貯蔵システムとは、電力を利用して圧縮・冷却して液化した空気を低圧断熱タンクに貯蔵しておき、必要に応じて再び気化し、その膨張エネルギーを利用してタービン発電機を稼働させて発電するシステム。
住友重機械工業が2020年2月に出資した英Highview Enterprises社が開発したシステムを活用するもので、現在、広島ガスの廿日市工場内に容量4.99MW/4hの実証プラントの建設を進めている。2025年の運転開始を予定しており、完成すれば国内初の商用実証プラントになるという。
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