ペロブスカイト太陽電池を住宅に活用、三井不レジとエネコートが共同研究:太陽光
三井不動産レジデンシャルと京都大学発のスタートアップのエネコートテクノロジーズが、住宅におけるペロブスカイト太陽電池の活用に関する共同研究を開始した。
三井不動産レジデンシャルと京都大学発のスタートアップのエネコートテクノロジーズは2023年10月17日、住宅におけるペロブスカイト太陽電池の活用に関する共同研究を開始したと発表した。
ペロブスカイト太陽電池は、軽量かつ柔軟に製造可能という特徴を持ち、ビルの壁面や耐荷重の小さい屋根、あるいは車体などの曲面といった、さまざまな場所に設置できる次世代太陽電池として期待されている。また、塗布などによる連続生産が可能であること、レアメタルを必要としないなどのメリットを持つ。さらに20%以上の高い変換効率が実現できるという特徴もある。
今回両社は、エネコートテクノロジーズ製のペロブスカイト太陽電池を三井不動産レジデンシャルのマンションなどで活用し、より実際の生活に近い環境で実証実験を実施する。また、ペロブスカイト太陽電池の変換効率で世界最高を達成した京都大学化学研究所の若宮淳志教授の研究室とも連携し、同製品の安全性や効率性を検証する。
具体的には2023年度中に、ペロブスカイト太陽電池を三井不動産レジデンシャルが供給するマンションの共用部分におけるデザイン性の高い照明や家具、居室内のインテリアへ設置し、日中の太陽光を蓄電し、夜間に利用するといった活用を行う計画。
なお、京都大学の若宮研究室では、2022年4月にスズ(Sn)を含むペロブスカイト太陽電池で世界最高効率23.6%を達成。また、フィルム基板を用いたペロブスカイト太陽電池パネル(モジュール)でも世界最高となる21%を超える効率を達成している。
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