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2023年夏に電力不足を回避できた理由とは? 冬季の電力需給の見通しも明らかに(2/6 ページ)

電力広域的運営推進機関が2023年度夏季の電力需給の実績と、今年の冬季の見通しを公表した。

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2023年度夏季における火力供給力の実績

 2023年度夏季における全国10エリア合計の最大需要時供給力は、想定値18,999万kWに対して実績18,414万kWとなり、▲585万kWの差であった。

 これを発電種別に見ると、まず火力発電では想定値11,286万kWに対して実績は10,865万kWとなり、▲421万kWの差であった。


表1.2023年度夏季 火力供給力実績 出典:調整力及び需給バランス評価等に関する委員会

 この差異は、想定よりも低い需要に合わせて「需給停止(バランス停止)」したことや、火力増出力を実施しなかったこと、計画外停止の発生などが理由である。

計画外停止の発生状況

 火力以外も含めた全電源種の供給力に対する計画外停止率は、最大需要発生日(7月27日)で3.0%、夏季平均で2.7%であった。また、計画的に行う作業停止も含めた全体の停止率は4.2%であった。


図4.2023年度夏季 発電所停止状況 出典:調整力及び需給バランス評価等に関する委員会

 このうち、火力発電の計画外停止は▲521万kW(▲4.5%)である。運転開始から40年を経過した電源を「老朽火力」と定義した場合、2023年度夏季(7月〜8月)における火力計画外停止件数250件のうち、老朽火力の計画外停止件数は43件を占めている。また老朽火力による今夏の発電電力量は101億kWh、設備利用率は25.0%であった。

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