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「同時市場」で変動性再エネ電源をどう扱うか、FIT/FIP制度との整合性が論点に:エネルギー管理(4/4 ページ)
現在導入に向けた制度設計が進んでいる「同時市場」。kWhとΔkWを同時最適化するこの市場において、重要な論点となるのが太陽光や風力といった変動性再エネ電源(VRE)の取り扱いだ。その方針について、主要な論点と具体的な制度の方向性をまとめた。
VREによる同時市場への入札方法
VREの取引は多様な形態が想定されるが、いわゆるコーポレートPPAと呼ばれる相対取引についても、同時市場の導入後は、一定の変化が生じ得ると想定される。
発電事業者と小売電気事業者で事前に相対契約を締結している場合、同時市場への入札を必須とするか(図10の選択肢①又は②)、不要とするか(選択肢③)は、今後の同時市場の設計次第であり、発電量を市場約定の結果に委ねるか、自社で確定させたいか、などが今後の論点となる。
また、VREの出力量の設定方法については、FIP電源等の自立化の観点からは、発電事業者(もしくは相対契約を締結している小売電気事業者)が自社で発電量を予測した上で、予測した出力量を同時市場に「入札」又は「登録」することが考えられる。
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