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ペロブスカイト×シリコンのタンデム型太陽電池、変換効率33.9%の世界新記録:太陽光
中国の太陽光パネルメーカーであるLONGi(ロンジ)が、ペロブスカイトと結晶シリコンによるタンデム型太陽電池セルにおいて、世界記録となる変換効率33.9%を達成した。
中国の太陽光パネルメーカーであるLONGi(ロンジ)は2023年11月3日、ペロブスカイトと結晶シリコンによるタンデム型太陽電池セルにおいて、変換効率33.9%を達成したと発表した。同型の太陽電池セルにおける、世界記録の変換効率になるという。
この記録は米国国立再生可能エネルギー研究所(NREL)の最新の認証報告書に掲載された。これまでのペロブスカイトとシリコン結晶を組み合わせたタンデム太陽電池セルの変換効率世界記録は、2023年5月にサウジアラビアのアブドラ王立科学技術大学(KAUST)が達成した33.7%だった。
ロンジは同年5月に31.8%、同年6月に33.5%を達成していたが、その後も研究開発を進めた結果、今回の世界記録更新となったという。
現在、太陽電池市場シェアの多くを占める単接合型の結晶シリコン太陽電池セルの変換効率は向上しつづけているが、理論限界値である29.4%に近づきつつある。ペロブスカイトとシリコン結晶を組み合わせたタンデム太陽電池の理論限界値は43%程度とされており、単接合型の限界を突破する次世代太陽電池として、世界各国で研究開発が進んでいる。
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