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物流施設にペロブスカイト太陽電池を導入、日揮らが北海道で国内初実証:太陽光
日揮、苫小牧埠頭、エネコートテクノロジーズの3社は北海道の物流施設でペロブスカイト太陽電池の導入実証を行うと発表した。
日揮は2023年10月23日、苫小牧埠頭およびエネコートテクノロジーズと共同で、こ北海道苫小牧市の物流施設においてペロブスカイト太陽電池を設置する共同実証実験を開始すると発表した。
この取り組みでは苫小牧埠頭が所有する物流施設に、京都大学発スタートアップであるエネコートテクノロジーズが開発したペロブスカイト太陽電池を設置する。ペロブスカイト太陽電池は、軽量かつ柔軟に製造可能という特徴を持ち、ビルの壁面や耐荷重の小さい屋根、あるいは車体などの曲面といった、さまざまな場所に設置できる次世代太陽電池として期待されている。また、塗布などによる連続生産が可能であること、レアメタルを必要としないなどのメリットを持つ。さらに20%以上の高い変換効率が実現できるという特徴もある。
実証実験では年初春から約1年間を予定しており、苫小牧埠頭の倉庫などで主に使用されている凹凸状の屋根や外壁にフィルム型のペロブスカイト太陽電池を設置。発電効率の測定や予測値と実測値の比較、塩害・降雪地域での耐久性、既存の倉庫屋根や建物曲面への太陽電池モジュールの設置方法などを検証するとしている。なお、北海道におけるペロブスカイト太陽電池の実用化に向けた実証実験は国内初の事例になるという。
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