2024年度の再エネ出力制御量の見通しと、出力制御対策の進捗状況:エネルギー管理(2/4 ページ)
資源エネルギー庁が管轄する系統WGで、2024年度の再エネ出力制御の見通しと、出力制御量の低減に向けた対策の進捗状況が公表された。
出力制御量の低減に向けた「再エネ電源のオンライン化」の状況
再エネ電源の出力制御は、前日時点で指示が行われるオフライン制御と、当日2時間前の需給予測に応じた柔軟な指示が可能なオンライン制御があり、出力制御量の低減が可能となるオンライン化が進められている。
エネ電源オンライン化の最新(2023年9月末時点)の状況は表3のとおりであり、旧ルール事業者のオンライン切替え率は、出力制御が先行した九州エリア等では高いものの、エリア間の差が大きい状況にある。
エリア全体がオンライン化したと仮定した場合の出力制御率を試算したものが、表4の下段である。多くのエリアで、オンライン化率を高めることにより、出力制御率(制御電力量)が低減するが、九州や北陸ではほぼ変わらない試算結果となった。
ただし、表5の九州エリアの例のように、出力制御率は旧ルール/無制限・無補償等の区分によって異なり、オンライン化による影響も区分ごとに異なることに留意が必要である。
需要面での出力制御対策
出力制御の低減に向けて、需要面・供給面・系統増強等の新たな対策パッケージが、2023年12月に取りまとめられた。
需要面での対策の一つが、新たな電気料金メニューによる需要家の行動変容、つまり「上げDR」の促進である。複数の旧一般電気事業者において、軽負荷期(春秋)の電気料金を割り引くメニューやポイント付与サービスを開始しているが、未導入事業者における速やかな取組開始が期待される。
これまで、省エネ法に基づく「省エネコミュニケーション・ランキング制度」において、一般消費者に対する「電気の需要の最適化(DR)」に関する「情報提供」有無の観点から、小売電気事業者を評価してきた。
今後、この制度を大きく見直し、情報提供に限らず、DRを促進するための料金メニューやサービスの提供等の取組状況を公表する新たな制度の導入に向けた検討が進められている。
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