使用済み太陽光パネルを国内販売&再利用、オリックス環境らが本格展開:太陽光
オリックス環境とオリックス・リニューアブルエナジー・マネジメント(OREM)が、使用済み太陽光パネルの国内販売と再利用を開始する。
オリックス環境とオリックス・リニューアブルエナジー・マネジメント(OREM)は2024年4月17日、使用済み太陽光パネルの国内販売と再利用を開始すると発表した。
2012年に再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)が導入されて以降、急速に導入が広がった太陽光発電。パネルの寿命は一般的に25〜30年程度とされており、2030年代後半には使用済み太陽光パネルが大量に排出される見通しとなっている。一方、国内においては再利用ニーズの情報が不足し、リユース商流が確立されていないことから、その多くの使用済み太陽光パネルは国内で再利用されず、主に海外への販売もしくは廃棄処分されている現状がある。
このほどオリックス環境は、太陽光発電事業者などから買い取ったさまざまなメーカーや型式の使用済み太陽光パネルを、発電事業者やO&M(運用保守)事業者向けに国内販売を開始する。使用済み太陽光パネルは、瑕疵の有無や機能の検査を通じて発電に問題ないことを確認の上で販売し、リユース不可の太陽光パネルはマテリアルリサイクルもしくは適正処理を行う。なお、同社では2020年から太陽光パネルの処理サービスを全国で展開している。
また、OREMは同社がO&Mを担う太陽光発電所にて、使用済み太陽光パネルの再利用を開始。同社は日本全国約190カ所、計約700MWの太陽光発電所のO&Mを受託しており、過去5年間で自然災害などにより破損した太陽光パネル約3000枚、700kW相当の入れ替え実績を持つ。今回、オリックス環境から使用済み太陽光パネルを約170枚取得し、O&Mを受託する太陽光発電所のパネル交換時に、使用済みパネルを活用することで、調達コストの削減や発電の早期回復に貢献するとしている。
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