応札不足と非常時への対応を両立、需給調整市場の一次調整力供出可能量の考え方を見直しへ:第49回「需給調整市場検討小委員会」(2/4 ページ)
大幅な応札量不足・約定量の未達が発生している「需給調整市場」。電力広域的運営推進機関では、一次調整力の供出可能量の考え方について見直しの検討を開始した。
一次調整力の供出可能量
一次調整力が対応すべき「異常時」とは、電源脱落が発生し、周波数の維持目標値である0.2Hz低下(北海道エリアでは0.3Hz)が継続する場合であり、このような「異常時」には、応動時間内に落札ΔkWの最大値を供出し続けることを定めている。
また、一次調整力の技術要件では「調定率」(=周波数変化に対する出力変化の割合)を規定しており、調定率が小さいほど周波数に敏感に応動することとなる。基準周波数50Hzエリアにおいて「調定率5%」とは、5%(2.5Hz)の周波数変動が生じたとき、発電機定格出力の100%が応動するため、異常時の判断基準0.2Hzの変動では、定格出力の8%以上が応動することとなる。
ただし現実的には、発電機は瞬間的に出力増加できず、一定の応動遅れを伴って出力増加するため、応動時間を考慮していない理想的な応動(∞秒後)と比較すると、10秒以内に全量供出が要件とされた一次調整力の供出可能量は減ることとなる。
なお、この応動遅れは「時定数」で表し、発電機出力が最低値0%から最大値100%(調定率に応じた応動幅)に変化する場合、出力が最大値の63.2%になるまでに要する時間を指す。時定数が10秒、定格容量20万kWの発電機において、10万kWで運転している状況(瞬時の電源脱落があり調定率上は定格20万kWまで出力増加可能な場合)では、10秒後の出力は16.3万kWになる。
以上より、一次調整力は、商品要件・技術要件で定められている応動時間や調定率の制約のほか、後述する「機械的限界」により、実際の供出可能量が決まることとなる。
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