ニュース
屋根置き太陽光の「設置余地」 省エネ法の対象事業者が定期報告へ:第46回「省エネルギー小委員会」(4/4 ページ)
省エネ法の対象事業者に義務付けられている定期報告制度。資源エネルギー庁では、この定期報告の項目に、屋根置き型太陽光発電の設置余地などの内容を盛り込む方針だ。
住宅の省エネ推進へーーZEHの強化を検討
建築物省エネ法の改正により、2025年4月以降に着工する原則すべての住宅は、「省エネ基準」への適合が義務化される。また国はこの省エネ基準を、遅くとも2030年度までに現行の「ZEH水準」へと引き上げる予定としているが、現時点の適合率は36.6%に留まっている。
なおZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)とは、省エネと創エネ(再エネ)を組み合わせることにより、年間エネルギー消費量が正味でゼロ以下の住宅を指すのに対して、「ZEH水準」では再エネを考慮せず、基準から一次エネルギー消費量を20%削減した省エネ性能(BEI=0.8)を意味している。
ただし現時点、注文住宅(図4)におけるZEH化率は全体で33%であるのに対して、建売住宅(図5)のZEH化率は4%に留まり、大きな隔たりが生じている。
第6次エネルギー基本計画では、2050年目標として「ストック平均で現行ZEH水準の省エネ性能を確保」としており、住宅省エネ性能牽引の担い手であるZEHには、今後より高い省エネ性能を掲げることが期待される。また住宅の創エネ(再エネ)に関連する家庭用太陽光発電の自家消費率は、現時点30%程度であり、蓄電池の導入による自家消費率の向上が期待されている。
このため、今後のZEH・ZEH-M(ZEHマンション)のあり方に関して、ZEH/ZEH-M委員会において議論を開始する予定としている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
建物屋根や壁面への太陽光発電の導入、NEDOが設計・施工ガイドラインを公開
昨今注目されている太陽光発電の建築物屋根や壁面への設置。NEDOはこうした設置方法に向けた「建物設置型太陽光発電システムの設計・施工ガイドライン2024年版」を公開した。
導入が加速する再エネ・系統向け蓄電システム、現状のコストと収益性の見通しは?
再エネ電源の大量導入を背景に、日本でも電力系統への導入が加速している定置用蓄電池。その普及拡大や市場創出を目指す資源エネルギー庁の「定置用蓄電システム普及拡大検討会」では、蓄電システムのコスト構造や収益性についてのレポートが公開された。
FIP電源の出力制御順はFITの後に、エネ庁が「市場統合措置」の導入案を公表
資源エネルギー庁はFIT制度からFIP制度への移行促進に向け、新たな施策の検討を開始した。はやければ2026年度から、再エネ電源に対する出力制御の順番を「FIT→FIP」の順に変更する。


