ニュース
多発する太陽光発電所のケーブル盗難に対応、金属スクラップ買取の規制改革を検討へ:第1回「金属盗対策に関する検討会」(4/4 ページ)
昨今、国内の太陽光発電所で多発しているケーブル盗難被害。警察庁では新たに「金属盗対策に関する検討会」を設置し、盗品の流通防止や、犯行に使用される道具に関する法規制の在り方も含めた、金属盗対策の検討を開始した。
太陽光発電所に必要なケーブル盗難対策
JPEAとREASPでは、これまでも警察庁や地域県警とケーブル盗難低減対策について意見交換を行ってきたほか、会員事業者に対して防犯情報の定期提供や、防犯対策ガイドラインを発行してきた。
太陽光発電所のケーブル盗難対策としては、「入らせない」「取らせない(盗ませない)」「買い取らせない」の3つが重要であると考えられている。「入らせない」「取らせない」については発電事業者や保守点検事業者による対策が中心となるが、これだけでは盗難を完全に防ぐことは困難と考えられる。
よって、「買い取らせない」対策としては、法令による規制強化が必要となる。なお、すでにアジア諸国では、金属スクラップ取扱事業者の登録制を導入している国が複数ある。
このためJPEAとREASPでは、国に対して、古物営業法の対象拡大や、金属スクラップ取扱事業者の登録制、買取時の身分証明書の提示、取り引きの記録・保存の義務化、現金取引の原則禁止等を要望している。国は、業界団体等の意見を踏まえ、新たな規制の導入について検討を行う予定としている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
太陽光発電設備の「義務的リサイクル制度」、創設に向けた検討を開始
国内で導入が広がった太陽光発電。将来、大量に発生する廃棄設備の適切なリユース・リサイクルの実現が大きな課題となっている。そこで環境省や経産省では新たな委員会を設置し、実効性のある適切なリサイクル制度の創出に向けた検討を開始した。
いまさら聞けない「ペロブスカイト太陽電池」の基礎知識と政策動向
次世代型太陽電池の代名詞ともいえる「ペロブスカイト太陽電池」。産業育成と導入拡大に向けた官民協議会も動き出し、早期社会実装への道筋が描かれようとしている。いまさら聞けないペロブスカイトの基礎知識と、最新の政策動向を整理した。
太陽光の「オフサイトPPA」の実態調査が公開、収益性や今後の普及課題が明らかに
「需要家」「発電事業者」「小売事業者」、オフサイトPPAにおける各プレーヤーの収益性が明らかになった。太陽光発電協会とEPIコンサルティングが、オフサイトPPAの実態調査を実施し、普及に向けた提言を取りまとめた。
