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2030年に新築住宅の6割に太陽光発電を導入へ トップランナー基準の目標が具体化:「建築物エネルギー消費性能基準等小委員会」(第20回2省合同会議)(3/4 ページ)
住宅へのさらなる太陽光発電の導入拡大に向けて、国は住宅の省エネ性能の指標となる「トップランナー制度」に、太陽光発電の導入目標を組み入れる計画だ。このほど、その具体的な目標値案が公表された。
住宅トップランナー制度における太陽光発電設備の設置目標
住宅トップランナー制度においてPV設置率目標を設定するにあたっては、トップランナー(TR)制度対象事業者か否か、また住宅区分別の違いを考慮する必要がある。
まず、2030年時点の新築戸建住宅全体(「設置が合理的」とは言えない住宅も含む)で60%という目標値を分解し、非TR事業者ではPV設置率50%、TR事業者のうち建売戸建住宅では60%、注文戸建住宅では80%を達成すると想定する。なお図4の括弧内の数字は、供給戸数全体を母数とした割合である。
先述の通り、TR事業者のPV設置率(2022年)は建売戸建で8.0%、注文戸建で58.4%と分かっているため、これと2030年目標を直線的につなぎ、2027年目標を仮に建売戸建で30%、注文戸建で70%と設定する。
ここから、「設置が合理的」とは言えない住宅「20%」を考慮し、全供給住戸の80%を母数とすると、以下のPV設置率目標(2027年)が導かれる。
- TR事業者の建売戸建では30%÷80%=37.5%
- TR事業者の注文戸建では70%÷80%=87.5%
TR事業者の建売戸建/注文戸建、また非TR事業者のいずれも、今後急速にPV設置率を高めることが求められる。国は、パブリックコメントを実施した後、年明けにはPV設置目標を公布し、2025年4月の施行を予定している。
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