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洋上風力発電の入札制度に仕様変更、迅速性や供給価格の評価方法を見直しへ:「洋上風力促進WG」(第27回〜29回)(2/5 ページ)
他の再エネ電源より初期投資額や事業規模が大きい洋上風力発電。インフレなどの市場環境変化の影響を受けやすく、事業撤退などのリスクが懸念されている。こうした状況を踏まえ、国は価格調整スキームの導入や供給価格の評価方法の変更など、入札制度に関連する制度を見直す方針だ。
入札保証金制度の見直し
再エネ海域利用法公募選定では、落札者の確実な事業実施を担保する観点から、図2のように3つの保証金が設定されている。また、迅速性評価を取り入れた第2ラウンド以降は、遅延を前提とした運開予定日で計画提案させないための抑止力(ペナルティ)として、遅延時には原則、保証金を全額没収することしている。
諸外国では、サプライチェーンの逼迫やインフレ等の影響により、洋上風力発電事業が中断・撤退する事例が複数発生していることを踏まえ、このような事業環境下においても事業実施を担保させる効果を持つ保証金額の設定について見直しを行うこととした。
まず、日本の第3次保証金に相当する金額は、デンマーク等では近年高額化していることを踏まえ、デンマーク、オランダ、ドイツにおける最新の保証金額の平均値24,000円/kWへと変更する。これに合わせて、第2次保証金額も10,000円/kWへ変更する。
また、デンマーク等の仕組みにならい、迅速性評価の点数が下がる6カ月ごとに段階的に保証金没収額を増やし、2年以上の遅延で全額没収する方式とする。なお、1年以上の遅れを避けるインセンティブを強める観点から、没収金額の増額幅は直線的とはせず、12カ月遅れ時点で、大きな段差を設ける方式としている。
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