再エネ出力制御の最新見通しが公表 蓄電池の早期系統接続に関する暫定措置も:第53回「系統WG」(2/5 ページ)
再エネ電源に対する出力制御の見通しについて、最新のデータが公表された。また、昨今増加している系統への蓄電池の接続について、その早期接続に向けた対策の方向性も明らかになった。
再エネ出力制御の対策と効果
まず表3の上段(赤枠)では、再エネ導入量は先述のケース②(2033年導入量の1.3倍)、需要は2024年度供給計画2033年見通しの1.1倍と想定した場合の再エネ出力制御率を表している。繰り返しになるが、対象は無制限無補償ルールの太陽光と風力である。
表3では「需要対策」として、各エリア最低需要の10%分について蓄電池が6時間容量分の需要を創出すると仮定した効果を試算している。
また「供給対策」としては、新設だけでなく、既設の火力等発電設備の最低出力も30%(火力)、50%(バイオマス)と仮定した場合の効果を示している。
「系統対策」では、現在建設中の地域間連系線の増強に加え、マスタープランの増強計画がすべて実現した場合の効果を試算している(北海道→東北+200万kW・東北→東京+200万kW、北海道→東北+30万kW、九州→中国+100万kW、東北→東京+455万kW、中部⇔関西+300万kW)。
なお近年では、複数エリアで同時に出力制御が発生することにより、実際に域外へ送電できる量(他エリアでの受電可能量)が減少している。このため今年度から、受電側エリアの受電可能量を考慮した統一ツールを用いて、地域間連系線の活用効果を試算している。
また図3のように、太陽光・風力導入量については、2024年度供給計画2033年度の導入量の伸びを1.0倍〜1.3倍にした4ケース、需要については各エリアの需要規模を1.0倍〜1.5倍にした6ケースを設定し、合計24ケースで出力制御率の算定を行った。ある意味当然の結果であるが、再エネ導入量が上振れするほど出力制御率は増加し、需要が上振れするほど出力制御率は減少する試算結果となっている。
なお先述の表3は、図3の「再エネ1.3倍&需要1.1倍」のケース(例:北海道の赤枠部分)を表したものである。
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