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導入検討が進む「同時市場」――揚水発電・蓄電池・DRの取り扱いの方向性:第16回「同時市場の在り方等に関する検討会」(3/5 ページ)
本格的な導入に向けて制度設計が進んでいる同時市場。「同時市場の在り方等に関する検討会」の第16回会合では、同市場における揚水発電や蓄電池、分散型エネルギーリソースの取り扱いなどについて議論が行われた。
分散型エネルギーリソース(DER)とデマンドレスポンス(DR)の整理
DER(Distributed Energy Resources:分散型エネルギーリソース)とは、需要家側エネルギーリソース(DSR)のほか、系統に直接接続する再エネ等の発電設備や蓄電池を総称するものである。またデマンドレスポンス(DR)とは、主に受電点以下(behind the meter:BTM)にあるDSRの保有者又は第三者が、DSRを制御することで、電力需要パターンを変化(上げ/下げ)させることである。これらのリソースの多くは小規模であるため、アグリゲーションによって市場応札することが一般的である。
またDRには、スポット市場等で売買し収益を確保する「市場向けDR(Explicit DR)」のほか、ゲートクローズ後にインバランス回避のために行う「市場外DR(Implicit DR)」がある。市場外DRは「経済DR」とも呼ばれている。
同時市場では、主に火力発電を念頭に、起動費や最低出力費用、限界費用といったThree-Part情報による入札・登録が求められる。DER・DRについても原則同様とするが、提出されない項目は自動的に無効とする(0として扱う)等の工夫により、実務負担を軽減する。
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