富士経済は2025年7月18日、再生可能エネルギー関連の国内市場に関する調査結果を発表した。2040年度の再生可能エネルギー関連発電システムの市場規模は、2024年度比で66.6%増の2兆9070億円と予測している。
今回の調査では太陽光、風力、水力、バイオマス、地熱といった再生可能エネルギー関連の発電システム、関連機器やサービスなども含めた市場規模調査となっている。
2025年度の市場は2兆28億円が見込まれ、その約5割を太陽光発電システムが占める見通し。太陽光発電システムは、kWベースのコスト低下が他のシステムより進んでいるが、長期的にはさらなる下落とそれに伴う普及が進み、2040年度には市場の6割近くを占めるとみられる。
風力発電システムは、陸上風力から洋上風力への移行により導入コストが上昇することから拡大が進むと予測した。運転開始のプロジェクトが複数進行しているため2030年度に突発的に拡大する見通しだ。以降も洋上風力がけん引し、2040年度には市場の3割程度を占めるとみられる。
水力発電システムは、大型案件のリプレース・リパワリングが2020年代に一段落することで2030年代には案件が小規模化し縮小、バイオマス発電システムは輸入燃料を利用する大型FIT案件の減少により縮小が予想される。また、地熱発電システムは市場に占める比率は低いものの、政策支援による導入拡大が期待されるとした。
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