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ワット・ビット連携とGX戦略地域――新たなデータセンター集積拠点の選定要件第3回「ワット・ビット連携官民懇談会」(1/3 ページ)

電力と通信などの業界横断による効率的なインフラ整備の推進に向けて設立された「ワット・ビット連携官民懇談会」。その第3回会合では、データセンター集積型GX戦略地域の選定要件などについて検討が行われた。

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 日本の経済成長や社会機能の維持・向上の鍵となる「地方創生2.0」の実現のためには、地域におけるAI活用を含めたDXの推進が喫緊の課題とされている。大規模なデータセンター(DC)の整備には、電力・通信インフラの効率的な整備が不可欠であり、電力・通信・DC事業者が一体となった「ワット・ビット連携」が必要とされている。

 このため国は、「ワット・ビット連携官民懇談会」において、官民の関係者における連携・協調を推進するとともに、2025年6月には同懇談会の「取りまとめ1.0」を公表した。


表1.「ワット・ビット連携官民懇談会取りまとめ1.0」より抜粋 出典:ワット・ビット連携官民懇談会

 また国は、「GX2040ビジョン」に記されたGX産業立地政策の実現に向け、「GX産業立地ワーキンググループ(WG)」において、脱炭素電力が豊富な地域への投資の呼び込みや、GX型新規産業の創出等に向けた検討を行っている

 ワット・ビット「取りまとめ1.0」で示された「新たなDC集積拠点の実現」は、GX産業立地政策における「GX戦略地域」の一つであり、官民懇談会ではDC集積型GX戦略地域の選定要件について、検討が行われた。

データセンター(DC)による契約申込状況

 データセンター(DC)や半導体工場といった大規模需要の増加が想定される中、連系が予定されている「特別高圧」(特高)の需要に関する情報は、今後新規に立地を検討している発電側・需要側、双方の事業者にとって有益なものと考えられる。

 このため送配電網協議会では、2025年8月から、特高需要の接続供給契約申込状況(エリア別・年度ごと)の公表を開始した。2025年6月末時点、契約申込受付中の特高需要の容量(2025〜2029年度連系予定分)全国計1,838万kWのうち、927万kW(約50%)が東京エリアに集中している。

図1.契約申込受付中の特高需要の容量(2025〜2029年度連系予定分) 出典:送配電網協議会を基に筆者作成

 ただし、契約申込みした需要のすべてが接続供給に至るわけではなく、電力広域的運営推進機関が2025年1月に取りまとめた需要想定によると、蓋然性の高い数値としては、DC等の新増設による最大需要電力(全国合計)は2029年度に431万kW(DC 343万kW、半導体工場88万kW)の増加が見込まれている。

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