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拡大する定置用蓄電池市場、出荷ベースの世界市場は2033年に700GWh超に蓄電・発電機器

矢野経済研究所は定置用蓄電池(ESS)世界市場見通しに関する調査結果を発表した。

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 矢野経済研究所は2025年9月8日、定置用蓄電池(ESS)世界市場見通しに関する調査結果を発表した。2033年のESSの世界出荷容量は735GWhに達すると予測している。

 世界的な再生可能エネルギーの導入拡大に伴い、出力変動の吸収による系統電力の安定化や、非常時のレジリエンス確保などを背景に、定置用蓄電池のニーズは拡大傾向にある。

 調査では2024年のESS世界市場規模は、メーカー出荷容量ベースで293.992GWhであったと推計。主要国において太陽光発電や風力発電といった再エネ発電設備の導入が拡大したことに加え、各国政府によるESS導入を促進する政策・支援制度の強化、さらには電力価格の高騰を背景とした自家発電・自家消費需要の増加が重なり、市場は大幅な拡大となった。


定置用蓄電池(ESS)の設置先別世界市場規模推移・予測。数字はメーカー出荷容量(MWH)ベース 出典:矢野経済研究所

 こうした市場拡大の傾向は2025年に入っても続いており、同年のESS世界市場規模は前年比127.9%の376.108GWhに達する見込み。なお、設置先(需要分野)別では、電力系統関連ESSがメーカー出荷容量ベースで331.403GWhと全体の80%以上を占める見通しだ。

 中長期の見通しでは、カーボンニュートラルの実現に向け、各国の再エネ発電設備導入が今後さらに加速する見込みであり、電力品質の安定化や余剰電力の有効活用に向けて、引き続きESSの導入が増加するものと予測した。蓄電池メーカー及びESSメーカーでは、材料技術の改良やシステム設計の最適化を通じて、製品の高性能化およびコスト削減に向けた技術開発を進めている。これにより、ESS導入の有効性が一層高まり、市場拡大が促進されることが期待される。調査ではこうした背景から、2033年のESS世界市場規模は、メーカー出荷容量ベースで735.473GWhに達すると予測している。

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