蓄電池等の低圧リソースや機器個別計測 2026年度から需給調整市場へ参入可能に:第57回「需給調整市場検討小委員会」(2/4 ページ)
「需給調整市場検討小委員会」の第57回会合で、需給調整市場で2026年年度から始まる新制度における需要側リソースの市場参加条件等が整理された。
機器点における需給調整市場のアセスメントI・II
現行の需給調整市場では、調整力リソースの応動等を確認するため、受電点において、アセスメントI(ΔkW供出が可能かどうかの評価)及び、アセスメントII(調整力の応動評価)を実施しており、機器点においても同様のアセスメントI・IIが必要となる。
アセスメントIについては、機器点からの調整力供出を把握するための契約に基づき、作成が必須となる「機器点単位での発電計画(基準値計画)」により、実施可能となる。
アセスメントIIについては、「機器点における瞬時供出電力(kW)」を送信することにより、調整力の応動を確認することが可能となる。瞬時供出電力の送信期限は、周波数維持および不正防止の観点を踏まえ、専用線リソースは「1〜5秒程度」、簡易指令リソースは「次の30分コマ終了」まで、と整理している。監視方法がオフラインである「一次オフライン枠」リソースは、メールにて事後的にデータ提出を求める。
なお、この瞬時供出電力の送信期限は、機器点計測に限るものではなく、取引規程の見直しにより、受電点計測ではすでに適用されている。
機器個別計測における「特定計量制度」の活用
需給調整市場への参入に際しては、「アセスメントII(ΔkWの応動評価)」と「調整力kWh精算」を行うための計量器の設置が必要となる。従来、電気の計量は、計量法に基づき、検定等に合格した計量器(特定計量器)を用いる必要があったが、機器点ごとに当該計量器を設置することは費用面で負担が大きく、実質的な参入障壁となっていた。
2022年4月の「特定計量制度」の開始により、「特例計量器」(適正な計量を担保するための義務を果たす500kW未満の計量器)を、機器個別計測に用いることが可能となった。
特例計量器等の計量データは、「特定計量(IoTルート)運用ガイドライン【第1.0版】」において、IoTルートを活用して収集することと整理されている。ただし、現行(第1世代)のスマートメーター(スマメ)はIoTルートを活用するための機能を具備していないため、需給調整市場において機器個別計測を行うためには、当該機器の受電点に第2世代スマメの設置が必要となる。
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