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あらためて考える営農型太陽光発電の「これから」ソーラーシェアリング入門(73)(1/2 ページ)

営農型太陽光発電(ソーラーシェアリング)について解説する本連載。今回は農林水産省の「望ましい営農型太陽光発電に関する検討会」の経過を振り返りつつ、営農型太陽光発電の「これから」についてあらためて考えます。

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 2025年も年末に差し掛かり、来年度に向けた制度・政策の議論も深まる時期になってきました。特にエネルギー政策、その中でも太陽光発電に関するさまざまな制度・政策の修正などが言われる中で、農林水産省の「望ましい営農型太陽光発電に関する検討会」の経過も振り返りつつ、営農型太陽光発電の「これから」についてあらためてまとめてみたいと思います。

農林水産省の「望ましい営農型太陽光発電に関する検討会」の議論経過

 5月から4回にわたって開催されてきた「望ましい営農型太陽光発電に関する検討会」は、現在事務局による「持続可能性の高い営農型太陽光発電(仮称)」の素案が取りまとめられている段階にあります。

 下記は第3回の検討会で事務局から示された資料になりますが、『将来にわたり地域・農業と共生する「持続可能性の高い営農型太陽光発電」の指標を示す』と記載されています。


望ましい営農型太陽光発電に関する検討会 第3回資料より

 今回の検討会の中では、営農型太陽光発電に取り組む現場において「優良な事例とは何か」という基準・目安になる知見が少ないことから、何を持って「望ましい取組」と判断すべきかが難しいという声に応えるべく、品目・生産性・生産者・地域共生の観点から議論が重ねられてきました。

 私個人としては、検討会の中で一定の統一的な基準を示すと同時に、営農型太陽光発電で取り組んだり、解決を目指したりする課題には当然ながら地域性があるので、各地域が独自に基準や指標を作れるようにすべきと提言を行ってきました。

 営農型太陽光発電は遊休農地の再生から優良農地の保全や生産性向上、農業・農村のエネルギー転換の促進、農業生産の脱炭素化による生産物の価値向上と持続可能性の担保、農業者の所得向上や新たな担い手の確保、スマート農業との連携など多角的な取り組み方が存在しています。そのため、ソリューションとして営農型太陽光発電を地域の農業や農村にどうはめ込んでいくかは、それぞれの地域で描く農業の将来像とあわせて、向き合い方を考えていくべきだと思います。


営農型太陽光発電は農業・農村課題解決のソリューションである

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