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液化空気エネルギー貯蔵システムが稼働 住友重工が広島ガスの工場内に:蓄電・発電機器
住友重機械工業と広島ガスは2025年12月10日、広島ガスの廿日市工場内に建設を進めてきた「液化空気エネルギー貯蔵システム(LAES:Liquid Air Energy Storage)」の商用実証プラント完成し、2025年12月1日に商用運転を開始したと発表した。
住友重機械工業と広島ガスは2025年12月10日、広島ガスの廿日市工場内に建設を進めてきた「液化空気エネルギー貯蔵システム(LAES:Liquid Air Energy Storage)」の商用実証プラント完成し、2025年12月1日に商用運転を開始したと発表した。
LEASとはとは、電力を利用して圧縮・冷却して液化した空気を低圧断熱タンクに貯蔵しておき、必要に応じて再び気化し、その膨張エネルギーを利用してタービン発電機を稼働させて発電するシステム。長時間の電力貯蔵に適しており、電力の供給と需要のバランスを調整するだけでなく、慣性力や無効電力を常に安定して供給することも可能であることから、電力網の安定化にも役立つという。
今回の実証設備は液化空気生成過程において、未利用のLNG冷熱の供給を受けて充電効率の向上を図る、世界初のLAES商用プラントになるという。出力5MWで4時間の充電が可能で、容量は20MWhとなっている。
住友重機械工業は、本設備の設計、建設、運転および運用を担い、商用運転を通して得られる知見を基に設備の合理化に生かす。広島ガスはLNG冷熱の供給を担い、自社設備内ボイラの省エネ・省CO2など、LNG冷熱の有効利用を目指すとしている。
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