容量市場「Net CONE」の見直しを開始 仮算定では2倍強の2万円/kWへ:第70回「容量市場の在り方等に関する検討会」(2/3 ページ)
約定価格の上昇や供給信頼度の確保などが課題として指摘されている容量市場。制度の改善に向け電力広域的運営推進機関の「容量市場の在り方等に関する検討会」では、オークションの需要曲線作成の鍵となる「Net CONE:Cost of New Entry」の見直しに着手した。
「Net CONE超」応札の増加と非落札率の上昇
容量市場メインオークションの約定価格の上昇は図1で見た通りであるが、その応札価格(2024年度メインオークション)は全国加重平均で2,097円/kWと、前年と比べて452円/kW上昇している。これを詳細に応札価格帯別に見ると、Net CONEを超える価格で応札した電源が前年度と比べ、約4倍に増加している(図3左)。
「Net CONE超」応札電源1,162万kWの大半は石油又はLNG火力であり、これらの電源の非落札率が高いことも報告されている(図3右)。
2024年度メインオークションにおいて非落札となった容量は前年度比166万kW増加の584万kWであり、このうち経年40年以上(実需給2028年度時点)となる電源は、前年比320万kW増加の407万kWであった。
石油・LNG火力は調整力を供出可能な電源であるため、これらの設備容量の減少は、調整力の減少にも繋がるおそれがあると懸念される。
諸外国のNet CONEとモデルプラント
容量市場のNet CONEを見直すにあたっては、諸外国・地域の容量市場の動向を参考とすることが有益である。
日本と同様のシングルプライス方式・集中型容量市場を採用している欧米諸国・地域のNet CONEは表3の通りであり、日本の現行の約1万円/kWと同等又は高い水準となっている(1ドル=149.88円、1ポンド=203.86円、1ユーロ=175.97円、1ズウォティ=42.10円にて算出)。
またモデルプラントについても、日本と同様の天然ガスを燃料とするCCGTやOCGT(オープンサイクルガスタービン)が採用されている。
日本の容量市場では、モデルプラントの選定にあたり、以下の3つの条件を満たすことが求められている。
- 経済的に選択される燃料種別・発電技術であること
- 不確定要素の高い「容量市場以外からの収益」が少ない電源を選択すること
- Gross CONEの算定が可能であること
2024年度メインオークションの落札電源のうち、運開年度が2023年度以降のLNG火力(530万kW)を見ると、その98%(容量ベース)がCCGT方式であり、OCGT方式は2%に留まることが明らかとなった。
容量市場の包括的検証では、モデルプラントの見直しの是非も論点とされているが、今後もモデルプラントとしては、CCGT方式LNG火力を採用することが妥当と考えられる。ただし、すでに新設LNG火力の多くが長期脱炭素電源オークションを利用していることも踏まえ、容量市場メインオークションのモデルプラントの位置づけについて、さらなる検討が求められる。
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